7月23日(日)のフジTV系情報ニュース番組「スタメン」で
パロマの件を取り上げていましたが
ああいう事故を引き起こした間接的理由として
「同族会社だから」ていう、ひどく単純で、かつ
視聴者の大勢を占めるサラリーマンの心情にあわせた
解説をしていました。
今年度から適用されることになった中小企業大増税
「同族会社の役員給与の損金不算入」について
今年の2月ごろ、立て続けにこのブログに書いており
そのときも「同族会社ってそんなに悪いのか?」
と、たびたび提議していたわけですが
今日は久しぶりに「同族会社」について書きます。
「スタメン」では、同族会社のメリットとして
意思決定スピードなどを上げており
デメリットとして、社内の風通しが悪くなりやすいこと
社員の志気が下がりやすいことを上げていました。
でもこれって「同族会社だから」ではなく
「ワンマン経営だから」ですよね?
同族会社=ワンマン経営ではありません。
中小企業家同友会では、「日本の企業の90%が同族会社」
と発表していましたが、「スタメン」では、「95%」と言っていました。
いずれにせよ、日本の会社はほとんど「同族」だということです。
同族会社がみんなワンマン経営で、「悪い」会社だとすると
日本の会社はほとんどダメ会社ってことです。
果たしてそんな状況で、ここまで経済が発展したでしょうか?
日本経済は、一握りの大企業ではなく中小企業が支えてきました。
中小企業は
日本の事業所数(612万社)のうちの99.2%(607万社)を占め
民間企業で働く従業者5,486万人の79.9%(4,370万人)を雇用し
製造業の付加価値額の56.8%、卸売業の販売額の64.4%
小売業の販売額の72.1%をたたき出しているのです。
法人税(法人企業)や申告所得税(個人事業)を払って国を支え
給料を払って暮らしに必要な製品・商品を世に出して
人々の生活を支えているわけです。
それら中小企業のほとんどは同族会社です。
それは、社長がワンマンだから、わがままだからではなく
継いでくれるのが子どもしかいないからです。
なぜなら中小企業経営者は
ヒトモノカネのどれも少ない経営の苦しさを味わう上に
資本金を自分のお金から出し、さらに
銀行からお金を借りる場合も「個人保証」といって
自分の家や財産を担保にしなければできない、という
大変なリスクを負わなければならないので
赤の他人で、すすんで後を継ぎたいという人がいないのです。
子どもでさえ、継ぐのを嫌がることが多いのです。
そういう状況があるのに
大手と中小を一緒くたにして言うのはおかしい。
それと大手の、非上場の同族会社でも
ワンマン経営でない企業はたくさんあります。
同族経営でも、社内の風通しが良く、社員の志気も高いわけです。
有名な例がサントリーです。
では、パロマと、サントリーなど非上場の大手同族会社の違いは
どこから来ているのでしょうか?
両社のHPを見比べてください。
何に気がつきましたか?
製品案内? 両方ともありますね。
デザイン? 両方ともさすがです。
会社概要・案内のページを見てください。
サントリーには、経営理念が掲載されているだけでなく
ていねいに1文1文、意味を説明しています。
ところが、パロマのほうは、キャッチフレーズレベルの
1行が書いてあるだけです。
安全に対する責任が問題になったわけですが
その短い文章には「あんしん」、「責任」と あります。
書いただけで、社内に浸透し、実践するものになっていなかった
ということがよくわかります。
もちろん経営理念は、書いて額に入れ
飾っておけばいいわけではありません。
書いたことと違うことをしているケースもあるでしょう。
しかし、経営理念を成文化し、社内外に示すと
それに反するような行動を牽制するという効果が生まれます。
社員が、「お客様第一」といって、お客様を裏切る行為をすれば
お客様は二度と買ってくださらないでしょう。
「環境に優しく」といって、公害を撒き散らしたら
地域の人々が許してくれません。
そして何より、経営理念は、経営者の行動を縛ります。
つまり経営理念は、経営者の姿勢、経営責任を宣言した
「コミットメント」なのです。
ワンマン経営は、もうできなくなります。
「言ったとおりやってないじゃないか!」と
社員やお客様に攻撃されてしまいます。
もちろん、社長がお金を出し、責任を100%負っている
同族経営は、ワンマン経営に転びやすいということも確かです。
だからこそ、中小企業こそ、経営理念が必要だと思います。
同族経営かどうかではなくて、理念経営かどうか
それが問題なのです。
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