コーチングセッションを「経営会議」代わりに
Aさんは、営業マン1人、事務員1人という
小さな会社を経営している40代の男性起業家。
会社員時代の部下の数を超える社員数の会社にするのが目標です。
経営コーチングを受けて1年ぐらいになりますが、一貫して
毎回レジメを作成して持ってくるという几帳面な方です。
コーチングは、このレジメの内容に沿って行っています。
レジメには、今年度の新規契約件数目標と、現在の成約件数
商談中の見込み客リスト、それに、営業マンの育成の状況と今後の方針
自分の仕事の状況と今後の方針が、書かれています。
Aさんは経営の勉強も熱心にしており
価格ではなくお客様メリットにポイントを置いた提案を売るという戦略や
フロント商品で入り込んで顧客との関係を構築してから
メイン商品を営業するという営業ストーリーなど
とてもしっかりできているので、引き合いには事欠かないようです。
でも私から見てももったいないなあ、と思うのは
Aさんが忙しくて、商談に行けていないという案件がちらほらあるのです。
営業マンは育成中でメイン商品の理解度や提案営業力もまだまだなので
社長自身が商談に行かないとクロージングできない案件があるのです。
そしてどうやら、Aさんのニーズも、そこにあるようです。
なので「これはどうして前に進んでないんですか?」
というちょっとキツイ質問をすることも、時にはあります。
Aさんのニーズとはコーチに自分の目標管理・行動管理をさせる
ということだと私は見ています。
以前、別のお客様がおっしゃった言葉なのですが
経営者には、管理者がいません。
目標管理では、部下に適切な目標を作らせることもさることながら
目標を達成させるための進捗管理が、欠かせません。
目標を作ったら終わりで、上司も部下もほったらかしというケースが
よく見られるのですが、これでは評価のための目標管理に成り下がるだけ。
人間は、見守り管理してくれる人がいないと
どうしてもサボってしまうからです。
よほど意思の強い人以外は、自己管理はムリだ
と思っておいたほうがいいのです。
経営者の場合、管理者がいないので、見守り管理してくれる人を
自分で見つけるしかありません。
Aさんの場合、私をその役目にして、毎回進捗を報告し
「やらねばならない」ようにしている、つまり
「コミットメント」しているのだと思います。
私をペースメーカー代わりに、あるいは管理者代わりに使い
コーチングの時間を、大きな会社なら
各事業部長が事業の進捗を報告する
「経営会議」のように使っているのです。
自分しか経営者がいない、小さな会社の社長にとって
コーチングの時間は経営会議でもあるのだと
Aさんとのコーチングを通じて、私は気がつきました。