スタッフの給与制度を経営コーチのアドバイスで
もう3年も経営コーチングを受けているBさん。
小さな事務所を経営している40代の女性です。
コーチングを受けた3年間に、スタッフは1人から2人に増え
無理難題をいう顧客がいなくなり
質の高い、やりたい方向の仕事ができるようになりました。
当初は、ご自分の仕事の方針や時間配分といったテーマでしたが
最近のコーチングの話題は、もっぱらスタッフとのコミュニケーションや
仕事の任せ方がメインになってきています。
Bさんは、経営コーチングを受けたこの3年で
自営業者から経営者へと変貌を遂げているのです。
スタッフは、入って3年ぐらいになる人と、1年ぐらいの人2人がいます。
新年度に入って、あとから入ってきたほうのスタッフが
「給料を上げて欲しい」と要望してきました。
Bさんは、上げてあげること自体は構わないと思っています。
確かに、先に入ってきたスタッフに比べてその人の給与は
かなり少ないからです。
でも問題は、先に入ったほうのスタッフはどうするのか。
明確な理由なく、あとから入ってきた人だけ上げたら
それこそ「言ったもん勝ち」です。
黙っていたスタッフは損したと思うと同時に
事務所とBさんへの不信感をもつでしょう。
では、その人も上げてあげるとしたら、どのくらいが適当なのか。
もちろん事務所の人件費予算にも限界があるわけで
同じだけ昇給させることは難しく、またそれでは
2人のスタッフの給与格差が縮小されません。
そんなことを悶々と、Bさんは悩んでいました。
そこで所長はふと思い出したのです。
私がC&Cマネジメントを創業する前、経営コンサルタント会社にいて
人事評価制度や給与設計など、人事の案件を多く手がけていた
ということを。
ある日のコーチングセッションで、Bさんは
「一度相談していいですか?」と聞いてこられました。
Bさんは、普段は電話でコーチングを受けているのですが
次回は弊社に来て、1時間でも2時間でも
納得するまで相談してくださいということになりました。
次の対面でのコーチングセッションでは
「こうしたらいい」という提案がすぐに、Bさんに対してなされました。
今は、基本給と職能給という2本立ての給与ではあるのですが
どちらも、キッチリした基準(給与表)がありません。
そこで私は、勤続年数に比例した基本給表のみ作り
職能給は事務所の経営状態と個人の熟練度やがんばりを見て
Bさんがフリーハンドで決めるという提案をしました。
基本給表はきわめてシンプルなもので、その場で紙に書いて提示すると
すぐにBさんは理解できました。
今後は、毎年いくら給与が上がるのかまったく読めないのではなく
基本給昇給分は最低保証として上がるということになり
スタッフたちも、ある程度安心です。
もちろんBさんには、毎年給与を上げ続けなければいけない
プレッシャーがかかります。
でも、スタッフに長く働いてもらいたいという気持ちが大きいのです。
なぜなら、スタッフがコロコロ入れ替わるところは
給与総額は増えないで済むでしょうが
募集、採用、教育の目に見える費用に加え、新人が戦力になるまでの
所長や先輩の時間と手間という目に見えないコストもかかり
結果的にコスト高になるからです。
Bさんの事務所では、結果として、基本給表にしたがい
あとから入ってきたスタッフの基本給の差を埋めるべく上げてあげる一方
先に入った人は仕事内容、知識、特殊技能の違いから職能給を
所長の裁量でいくらか上げてあげる、ということになりました。
所長があれだけ悶々と悩んでいた問題が
1時間ばかりの相談で解決できたわけです。
所長は「もっと早く相談すればよかった」と思いました。
一般論として「コーチはこんな使い方ができる」というだけでなく
私の場合、経営コンサルタントでもあるので
こういう活用法があるわけです。
「コーチは、答えを引き出す人なので、答えを教えない」
という考え方もありますが
私は、コーチングの時間の中でできる範囲のことであれば
知っていることなら喜んでアドバイスしています。