「限界利益」についてレクチャーを受けて、利益率の改善へ


ご夫婦で小さな会社を経営しておられるCさん。
社長の奥様が私の経営コーチングの直接のクライアントです。
経営はかなり苦しいようです。

貸借対照表を拝見すると、借入金の他に、未払金があります。
借入金は経営者個人からの借り入れであり、未払金は奥様の給料未払い。
とにかく単年度利益を出せるようにして
まず奥様に給料を払えるようにして未払金増加を食い止め
それから少しずつ、借入金と未払金を返していくしかありません。

利益を出せるようにする。
それが課題です。

そこである日、こんな式を書いて、訊いてみました。

利益 = 収入 − 費用

利益が出ないのは、売上が少ないからか、費用を使いすぎているからの
どちらかです。
しかし、Cさんの会社では、夫婦以外に社員はおらず、会社は自宅兼用なので
人件費(役員報酬)と地代家賃はさほど多くはありません。
また、仕入価格も販売価格に対して適正で
売上原価が高すぎるということはありません。

となるとやはり、売上が足らないことが原因ということになります。

次に、もう1つのの式を書いて見せました。

売上 = 数  × 単価

売上は、客数・販売数といった数と、客単価・商品単価といった単価との
かけ算で計算されます。

Cさんの会社の場合、適度な粗利益を乗せて販売価格を決めているので
単価には問題はなく、販売数量が少ないことが問題のようです。

そこで、1ヶ月にこれだけ売れば利益が出るという数量を目標にして
営業戦略を立てていくことになりました。

ところが次の経営コーチングの日。

Aさんは前回は私に話していなかった、重要なことを教えてくださったのです。
注文を取ってくれるところに渡す販売手数料と
注文をもらいに行くための交通費を合計すると
1個あたり売価の20%以上の販売費がかかっているというのです。

これで目標販売数量を計算し直すと、利益を出すには
目標数量を当初目標の約1.5倍に引き上げなくてはならない
ということが分かりました。
当初目標にさえ、今はまったく届いていないCさんは
あまりの目標の大きさに、言葉を失いました。

私は「Cさん。限界利益って知ってますか?」と聞いてみました。
「ちょっとよく分からない」とおっしゃるので、今度は
ノートに下のような図を書いて説明しました。

限界利益説明図

販売手数料は、1個当たりにかかります。これは変動費です。
また交通費は、通勤など販売状況にかかわらず固定的にかかるものと違い
注文をもらいに行くための交通費は変動費
(完全に販売数量に比例するわけではないので、正確には準変動費)
といえます。
つまり損益計算書の「旅費交通費」という科目に
変動費と固定費が混じっているわけです。

損益計算書だけ見ると、粗利益が充分取れてるように見えます。
販売手数料と旅費交通費は、販管費の科目だからです。

それだと、本当に儲かっているか、利益が取れているかが、見えません。
そのため、「限界利益」を見る必要があるのです。

「限界利益」は、損益計算書のどこにも書かれていません。
だからこのように「盲点」になってしまいがちです。

限界利益から、人件費や家賃といった固定費を払うので
それが低いと純利益も出ないわけです。
Cさんの会社の場合、販売手数料が高く、利益を食ってしまっていました。

Cさんは、ホームページを作って注文を取る計画をしていましたが
私はさらに、「中抜き」をすることができないかと提案しました。
1回目の注文はしかたないとして、2回目の注文からは直接もらえるように
既存客にDMを出したり、商品の中に注文書を入れておき
「次回からはこちらでご注文ください」と書いておくといった策です。

新規注文とリピートが、2対8か1対9か、計算してみないと分かりませんが
もし仮に、全部「中抜き」できたら、利幅は大きく上がり
目標販売数量は、当初目標の約1.5倍どころか
約6割でいいということが、計算の結果分かりました。
Cさんは「こんな少なくていいんですね! これだったらできそうです。」
と安心したようでした。

私も一度、経営コーチングを受けてみる