専門力がなくても絞り込みはできる
私は、いろいろな業種の経営者をコーチングしていますが
ある方から聞いたお話をお名前などは伏せて、他のお客様にお話したり
本で読んだりセミナーで聴いたことを何人かのお客様に、同じようにお話しする
ということがあります。
ある日、こんなことがありました。
午前中に、全く異なる業種の方2名に、電話でコーチングをしたのですが
両方に、同じことをお話しました。
それは専門力(高い技術力や高度な知識)がなくても、絞込みはできる
ということ。
このお2人はどちらも、2005年5月にランチェスター戦略を学ぶ講座
弊社主催「弱者必勝!小さな会社の経営戦略講座」第1期を受講された方で
ランチェスター戦略については、かなり学ばれています。
対象客層は伏せますが、お2人ともある客層に絞込みを図っているところです。
この日最初にコーチングした方は、電気工事業の社長。
「自社がこの客層に絞り込んでいるのを見ても同業者は
へぇ〜!と感心したりはしないだろう」
と、おっしゃいました。
「それはどういうことですか?」とお聞きすると
その客層の仕事をするのに、特別高度な専門技術は必要ないので
同業者は「あ、そう。なんでそんな仕事やってんの?たいしたことない」
と思って、関心を示さないだろうということなのでした。
でも、だからいいんです。
他社が狙っていない市場。
そこを、気づかれないうちに密かに攻めるのです。
潜水艦や、ステルス戦闘機みたいに。
潜水艦が浮上して敵艦の目前に現れたときには
向こうは今やっと、状況に気がついたところ。
もう勝敗が着いているというわけです。
みんなが参入したがる儲かりそうな客層だったらどうなりますか?
当然、向こうも同じ客層を狙ってくるでしょう。
はじめっから正面衝突でチャンチャンバラバラです。
その中には豊富な資金力を持った会社や
高い技術力を持った会社も混じっているでしょう。
その社長の後にコーチングした方は「士業」なのですが
これまで専門にしてきた客層に比べ、今狙っている客層は
「士業」に依頼するほどの仕事はない、と思われていた業界だそうです。
実際、ほとんどの事業所は専門家に頼まず、自分たちで何とかしているようです。
つまりその客層では受注がとれない、儲からないと見られていたのです。
また、その業界は、福祉、ボランティアという色彩が強いので、一般的に
あまりお金をもっていない事業所が多いというのも
仕事にならないと思われていた一因です。
ここで私は、その前にコーチングした方にもお話した
ある士業の方の例を、お話しました。
お2人が受講された「弱者必勝!小さな会社の経営戦略講座」で
特別講師の佐藤元相先生が事例として説明されたお話です。
佐藤先生のホームページには、先生がホームページ戦略作りを手がけた事例が
いくつも掲載されていますが、その中に
ベーカリーショップ専門税理士、小笠原/河原事務所があります。
税理士さんは私の知り合いにもたくさんいらっしゃいますが
ここまで客層を絞り込んでいる方は、存じません。
よく考えると、パン屋さんには、それほど高度な知識を必要とする会計処理なんて
ほとんどないはずです。
税理士からみると。
でも、パン屋のご主人は、パンには詳しいけど、会計は苦手という方が多い。
サッパリ分からんので、自分で勉強してなんとかするよりも
専門家にアウトソーシングしちゃいたい、という方も結構いるはずです。
つまり専門知識を売りにしているわけじゃないんです。
目のつけどころが違っていただけで。
そして、ただ単に「うちはパン屋専門ですよ」って、宣伝したわけではなくて
パン屋のご主人が一番困っていたこと
「現金が帳簿と合わない」
というところにフォーカスし、彼らが喜ぶものを提供していきました。
客層を絞り込めば、そのお客様が困っていることが誰よりもよく見えてきます。
それに応えることが大事。
専門性は二の次。
私の場合、コーチングという仕事をしていますが
中小企業経営者に客層を絞り込んでいます。
そうすると、そういう方をコーチングした経験値がどんどん増えていくので
コーチング技術では私より上の人がいたとしても
小さな会社の社長さんのコーチング経験では誰にも負けない
という地位が築けるわけです。
絞り込め、絞り込め、というと
「ウチは同業者に比べて特に変わった商品も、高い専門性もないよ…」
と思う方が多いのですが、そんな心配はありません。
要は、専門力という「武器の性能」よりも
勝てる戦場と、勝てる戦い方の選び方。
まず、客層を絞り込んで、お客さんのニーズにフォーカスしていく。
そして、その客層での実績を売りにするか
今はあまり実績がないなら、これから経験を積み上げていけば
誰でも、どんな会社でも、1番になれます。
儲けることはできます。
あなたは、どの客層に絞り込んでいますか?
そのお客様は、何を求めていますか?