他社が地域戦略を重視していない業界こそ、そこが盲点


私は2002年4月に起業しましたが、最初は自宅で仕事をしていました。
2002年12月に、西宮の行政書士の先生の事務所に間借りをし、はじめて
家の外に事務所をもつようになりました。

そして、2004年11月から、今いるベンチャーオフィス
SOHO LINK長堀に入居しました。

ここは「インキュベーションオフィス」とか「レンタルオフィス」とか呼ばれる類の施設で
1.5坪〜3坪の個室を専用できるとともに
打ち合わせや商談ができる共用のミーティングスペースを使えます。
ロビーには受付がおり、来客の一時応対をしてくれます。
私の場合、事務処理やパソコンを使った仕事(メルマガ発行など)
それと電話でのコーチングは自分の部屋で行い
会議、打ち合わせや対面コーチングは、ミーティングスペースで行なっています。

ここに入ってきてから、私の仕事スタイルは起業直後と大きく変わりました。

自宅兼事務所の頃は、私の場合は家が狭いこともあって
専用のオフィスを作れず、気軽にお客様に来ていただけませんでした。
「訪問したいんですけど」といわれても「あ、ちょっと来ていただくのは…」と
断っていました。

西宮の間借り事務所の場合、応接セットもあり
「来てください」は堂々といえましたが、いかんせん
大阪からは遠いイメージがあり、大阪のお客様にはご不便をかけていました。

その頃までは、コーチングは電話がほぼ100%で
全体としては、訪問型の業務である
経営コンサルティングの仕事のウェイトが高かったです。

ところが今は、来ていだいての対面コーチング業務が多くなってきています。

コンサルティングは、移動フィーや交通費を取る上に、1回の会合時間も長く
コンサルタントが資料をキッチリ作るため、料金を高く価格設定します。
私の場合、3〜4時間程度の訪問で1回10万円です。
これは中小企業診断士の標準に沿っており、決して高くないのですが
払う側から見ると、1ヶ月2回来てもらうと20万円にもなってしまうので
とても小さな会社が払える金額ではありません。

私の場合、あえて社員1人〜20人ぐらいの小さな会社を
「客層」として絞り込んでいるので
お客様の負担は月5万円に抑えています。(個人事業は3万円)
対面コーチングという手法を取り

ことで、経営コンサルティングと同じ成果を出そうとしています。
お客様からみて要らない部分を削っているので、決して安売りではありません。

実は、コーチングは電話でするものだというのが業界標準になっています。

しかし私の場合「電話でも、来ていただいても、どちらでも」
といっているうちに、対面コーチングが増えました。

という理由以外に
「大阪都心の、起業家の活気あふれるオフィスに立地している」
ことも大きいと思います。
ビジネスをうまくいかせたいと願っている社長さんたちにとって
それは間違いなく魅力として映る、と私は見ています。

逆に「癒し」をコーチングに求める人にとっては
静かな個室での面談や、自分の部屋での電話がいいでしょう。

なので私は、ホームページのトップページ一番上に
オフィスの住所・電話番号・FAX番号を載せています。

コーチのホームページをいくつか見ていただいたら、お気づきになると思いますが
住所も電話番号も、出していないという方が結構います。
そのような中で、「大阪市中央区南船場」という地名を
目立つところに載せているのは、異彩を放っているでしょう。

このように、コンサルタントやコーチのような
訪問や電話を主体とすると思われている事業であっても
あえて地域を前面に出す、 つまり「地域戦略」を鮮明にすることによって
同業他社と差別化することができるのです。

差別化しやすい「有利な立地」は都心とは限りません。
むしろ同業者の少ない都市圏外や地方のほうが
「〜〜(地名)唯一の○○(職業名)」ということで
その地域のお客様から見たメリットを強調することができます。
私の場合、大阪生まれで大阪育ちなので
土地勘のない他地域・他地方で展開することは、 かえって不利になるからしませんが
私の経験からみると、同じ業種で、会社規模や社長の実力が同じ場合
明らかに、都市圏で事業展開している方が苦戦
しています。

お客様に来ていただくのを待っているタイプの業種、たとえば小売や飲食
または、他頻度小口配送やルートセールスが必要な業種であれば
「地域戦略」は重要で、広域営業や競合が多い地域での展開は
致命傷にすらなりかねません。
しかし、こういった訪問型や通信型で、1社(1回)の取引金額が比較的高く
移動コストが問題視されない業種では
「地域戦略」をあまり意識していない会社が多い
ようです。
経営コンサルタントはその典型で「今日は九州、来週は関東」
などといって忙しそうにしている方がよくいます。

だからこそ、そういった業界では「地域戦略」は盲点であり
盲点をつくことは有利になります。

単純に考えても「移動フィー」といったって
コンサルティングの時間と同じ料金は取れないのですから
移動にかける時間を、他のお客さんの訪問に回したほうが、より儲かるはずです。
何しろ粗利益ほぼ100%の仕事ですから。
よほど売れっ子で、他のコンサルタントの2倍も3倍も
フィーを取れるなら別ですが…。

たとえば私の知人の中小企業診断士
福知山市の伊東コンサルティングオフィスさんは
「京都・丹後・丹波・但馬」という地域を前面に出しており
「経営コンサルタントが必要なのは、都会の大企業ではなくて
田舎でがんばる小さい会社なんですよ!」と熱く強調しています。

また、弊社主催「小さな会社の経営戦略講座」で講師を務められた
ランチェスターマネジメント明石山田一美先生は
「ランチェスター経営戦略 セミナー実績兵庫県No.1」と、高らかに宣言しています。

私のお客様の中にも、「地域戦略」をあまり重視しなくてよいタイプの
業種の方がいます。
客層や商品の絞込みをまず優先して勧めるので
「地域戦略」については、あまり話をしないのですが
このような業種に該当する方も、同業他社の「盲点」をつく戦略を描くという意味で
「地域」の絞り込みを、あえて考えてみてはいかがでしょうか。